香川県高松市の篠原税理士事務所
相続税申告、法人決算、確定申告に対応
高松市を中心に香川県全域対応
〒760-0005 香川県高松市宮脇町1丁目16-20-102
初回相談無料
お気軽にお問合わせください
お気軽にお問合せください
087-813-1607
社長から会社への貸付金に注意|回収不能でも相続税は課税されます
社長から会社への貸付金は、回収できなくても相続税の対象になる点が、この問題の本質です。
小規模な会社を経営している場合、社長個人の資金を会社の運転資金として貸し付けているケースは珍しくありません。
数百万円程度であればまだしも、長年の積み重ねにより、数千万円規模に膨らんでいるケースも見受けられます。
そして社長が亡くなると、この「会社に対する貸付金」も相続財産に含まれることになります。
問題は、この貸付金が現実的には回収困難であるケースが多い点です。
社長も家族も「このお金は実質的には戻ってこない」と認識していることがほとんどです。
しかし、会社の貸借対照表に借入金(個人側から見れば貸付金)として計上されている以上、「実質的には戻ってこないお金であり、無いに等しい状態です」といった主張は通用しません。
あくまで形式上は「会社に対する債権」として評価され、相続税の課税対象となります。
その結果、相続税の基礎控除を簡単に超えてしまうケースも少なくありません。
現金がないのに相続税だけが発生するという非常に厳しい状況に陥ります。
このような問題は、
・赤字であるにもかかわらず役員報酬を取り続ける
・結果として、受け取った役員報酬をそのまま会社に貸し戻す
といった資金の流れによって、貸付金が積み上がっていくことで生じます。
本来であれば、会社の業績に応じて役員報酬を減額すべき場面でも、報酬水準を見直さないまま運営を続けた結果、このような状況に陥ってしまうのです。
この問題は、生前に対策を講じなければ解決が難しくなります。
例えば、会社に青色欠損金が残っているうちであれば、債権放棄を行うことで、
・貸付金(会社から見れば借入金)が消滅する
・会社側で債務免除益が計上される
・これを青色欠損金で相殺できる
といった対応が可能です。
しかし、青色欠損金の繰越期限が切れてしまうと、債権放棄を行った際に多額の法人税が発生するため、簡単には実行できなくなります。
この段階になると、現実的には会社清算の場面で「期限切れ欠損金の損金算入」を利用するほかないケースも出てきます。
「とりあえず会社を休眠させる」という選択をされる方もいらっしゃいますが、休眠させたところで貸付金が消えるわけではありません。
また、株式会社の場合には役員の任期が最長10年であるため、役員重任登記の問題も残ります。
結局のところ、この問題は会社を清算(または破産)しない限り、根本的な解決には至らないケースが多いのが実情です。
なお、破産手続となれば数百万円単位の費用がかかることもあり、対応のハードルは決して低くありません。
会社は作るより畳むほうが難しいと言われますが、この問題はその典型例といえます。
会社経営には波があり、好調な時期もあれば厳しい時期もあります。
その中で、役員からの借入金が積み上がり、実質的に債務超過の状態に陥っている会社は決して珍しくありません。
このような会社を抱えたまま相続を迎えると、いわば「相続税を納めるためだけの貸付金」が存在することになり、
・回収できない貸付金に対する相続税
・財務内容の厳しい会社の整理
といった問題が同時に発生し、相続人にとって大きな負担となります。
このような事態を避けるためには、早い段階で
・役員報酬の見直し(顧問税理士と相談)
・債権放棄の検討
・会社の清算
といった対応を検討することが重要です。
経営を続けるか、整理するかの判断は難しいものですが、放置してしまうと選択肢が大きく狭まります。

お気軽にお問合せください